【ゆる理財】キャピタルゲイン目的投資とインカムゲイン目的投資

2023年1月15日

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記事の概要

 「投資をする際に何を目標にするか」というのは非常に大事です。

 何でもかんでもとにかく投資信託を買えば万事うまく行くわけではありません。

 目的に沿った資産運用をしないと「こんなはずではなかった…」となりかねません。

 そんな目的も大別して2つに分けられます。

 本記事では、それぞれの投資のおおまかな特徴を書きたいと思います。

大きな2つの目的

 一つはキャピタルゲインを求めて貯金感覚で将来の利益を取る。

 もう一つがインカムゲインを求めて月々使える金銭を増やしていく。

 まずは、言葉の意味が分からない方のために、キャピタルゲインとインカムゲインの言葉を簡単に解説した上で、それぞれの目的別投資信託等のメリット・デメリット等をざっくり述べたいと思います。

キャピタルゲイン

 キャピタルゲインとは売買差益です。

 つまり、買ったものを値上がりしてから売って差額で稼ぐ方法です。

 配当や分配金等をメインにしない「カタギ」の方が手を出すような投資用資産は大体キャピタルゲイン目的に分類されるのではないでしょうか。

 ちなみに、

「ゲイン(gain)」は英語で「利益」とかを意味し、

「キャピタル(capital)」は「資本」「資産」を意味します。

インカムゲイン

 インカムゲインは定期的に収入として入ってくる利益です。

 特定の商品を保有していると、特に配当や分配金として収入が入ってくるものがあります。

 ちなみに、

「インカム(income)」は給与をイメージして頂くと分かりやすいですが、定期的な「収入」を意味します。

キャピタルゲインを目的とした投資信託の特徴

 まず始めるなら、積立NISAあたりでキャピタルゲイン目的の投資を始めることをお勧めします。

いつかの為の預金をするつもりで投資を続けるのに向いている

 キャピタルゲイン目的の投資は大抵の場合すぐに目に見える凄まじい効果が出るわけではありません。

 のんびりと値上がりを待つことになります。

 必ずしも元本保証されないという注意点はあるものの「預金よりは良い運用成績を」という目標で始めることになります。

メリット的な特徴 

同じ投資信託等なら結果的な年ごとのリターンは、インカムゲイン目的の投資信託等より良い

 例えば、特に「再投資型」で投資信託を保有すると、一定期間ごとに配られるはずの分配金が配分されない代わりに元本に上乗せされ、「複利効果」が生じることで値上がりの程度が大きくなります。

デメリット的な特徴

毎月の自由に使えるお金が増えるわけではない・固定費が増える

 積立投資の場合はむしろ毎月自由に使えるお金が一定額減ります。

 ある程度積み立てたら少しずつ取り崩し始めるのも手かもしれないですが、期間が短すぎると複利効果が薄くなって値上がり益を最大化できないので、ある程度我慢する期間が必要です。

売るタイミングが割と難しい

 どこかのタイミングで売らなければ現金化できないわけでして、いつ売るかのタイミングの判断に迷う可能性があります。

 「もっと値上がりするかも…」と待っていたら暴落したみたいな事態は避けましょう。

 積立NISAの売却時期については他の記事で述べています。

投資先の具体例(2021年5月時点)

  • emaxis slimシリーズ
  • sbi雪だるまシリーズ

等ような、積立NISAを念頭に置いたこうした商品であればそもそも分配金を出さないですし、手数料も低めで、キャピタルゲイン目的の長期保有に向いています。

その他コメント

(積立NISAではない普通の積立投資であれば)どこかのタイミングで総投資額の4%ずつ取り崩し始める事で,リターンを得つつも投資した資金を長持ちさせられる(4%ルール)

 4%というのはアメリカのトリニティ大学の論文の話であって、別に必ずしも4%の必要はなく、リスクを抑えた3%ずつの取り崩しでも、あるいはアクティブに5%ずつの取り崩しでも、個々人の事情に合わせたらいいと思います。

 とりあえず論文では「4%ずつの取り崩しが推奨されている」くらいを頭の片隅に置いといてください。

 積立NISAは20年という期間が決まっているので、20年に到達する前の一番値上がりしてそうなタイミングで売却するか、そのまま普通の証券口座に移すなりをしないといけないので、4%ルールが当てはまるわけではありません。

インカムゲインを目的とした投資信託の特徴

 基本的には余裕資産のある方が「日々の生活にゆとりを持たせられたら良いな」という感じで投資を始めるイメージです。

メリット的な特徴

即時的に投資の効果を感じられる

 年に数回、定期的に分配金が配られるので、投資金額によってはスマホ代金、家賃、極めれば日々の生活費まで賄えるます。

 また高配当株等を持っている限り投資先が消滅しなければ一生涯定期的なお金が入ってくるわけです。

デメリット的な特徴

キャピタルゲイン目的の投資信託よりは値上がりがイマイチ

 産み出した利益を逐一分配してしまうので複利効果を得られないから致し方なしです。

思ったほどリターンが多くないので、生活費まで賄おうとすると結構な額を投資に回す必要がある

 分散具合・リターン等を総合した優秀なETFでも、年に3~4%くらいを見積もるのが良いのではないでしょうか。

 経済的にダメージを受けたときは半分以下になる可能性もありますし。

 逆に、経済が良ければもっと多い場合もありますが、それは臨時ボーナスくらいに思うのが良いでしょう。

 仮に年3%のリターンが見込めるとしても、年に30万が欲しければ1000万は投資しなければならない(利益の20%を持っていく税金を考慮するならもっと)ので、思ったほど余裕のある生活の実現は難しそうです。

投資先の具体例(2021年5月現在)

 できれば日本の会社が販売しているモノの中からオススメしたいのですが、2021年5月時点で日本の会社が販売しているオススメ商品はありません。

 リターンの割にリスクや信託報酬が割高です。

 米国の高配当ETFであれば、SPYD、HDV、VYMが有名です。

その他のコメント

分配金を自分で再投資することも可能(実質キャピタルゲイン目的投資)

 分配金に相当する金額に複利効果が得られないというだけなので、分配金をそのまま再投資すれば実質的にキャピタルゲインに重きを置く商品を買うのと変わらない状態にできます。

 ただし、そうするなら最初から全自動で再投資までしてくれる商品を買った方が良いと思いますが。

売却益の道が絶たれるわけではなく、売ろうと思えばいつでも売れる

 都度再分配をしてしまうと言っても、中には徐々に値段も上がっている商品もあります。

 そうした商品であればキャピタルゲインも得られるわけです。

 また、その他のインカムゲインを目的とする投資信託であっても、分配金を出すタイミングまでの間に値動きをしているので、タイミングを計れば売却益を出すこと自体はできます。

タコ足投資信託に注意点

 利益が上がってないのに分配金だけは一丁前に配る投資信託は、自分で預けたお金を一部ずつ返されてるだけで意味がないのでご注意を。

終わりに

 内容は絶対ではなく、オススメもかなり主観的なものですし、疑問が残る場所はさらにご自身でリサーチされる等メディアリテラシーを持ってご一読下さい。

 修正点があったら適宜更新します。

以上