【ゆる理財】投資初心者の為の基礎用語解説

2023年1月15日

 以下では、投資に関心を持った方、これから始めてみようか迷っている方に向けて個人的に分かった方が良さそうな最低限の事を「おおまかに」書かせて頂きます。

 ブログにしては文章量が多いです。

より多くのリターンを得ようと思うなら投資>預金

 ご存知、銀行預金の金利は0.001%です。(※2021年時点の某メガバンク)

 これはつまり,100万円を一年間預けると利子として10円がもらえるんですか…!?

 1億預けても1000円…

 悲し過ぎます(泣)

 対象が株式のみの投資信託の中で一番安定していると考えられる全世界型インデックスファンドでも余裕でこれを上回ります。

 参考までに、有名な投資信託の情報を載せておきますが、「トータルリターン」の表をご覧ください(難しかったらごめんなさい)。

 まずはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に関する情報

 そして、SBI・全世界株式インデックス・ファンドに関する情報


 もちろん、金融商品は一定額ずつ値上がりを続けるものではなく、時期と期間によっては値下がりして損失を出すリスクもあるので注意して下さい。

 リスクがあるから預金よりもハイリターンなのです。

※1 2020年~2021年にかけての投資信託のリターンは、コロナショックにより一旦落ち込んでからのスタートなので、すこし成績が良すぎます。

投資に回すのは「遊休資産」

 上記の説明で「預金より運用の方が良いのか!」と思うわけですが、急に現金が必要になることもあるでしょうし、全てを投資に回すのは避けた方が良いです。

 ご自身の事情に合わせて預金と金融資産の割合を8:2、5:5、2:8等々として運用して下さい。

 遊休資産が少ない方ほど、賃金アップや転職、生活のコストカット、副業やそれをする時間が大事になってきます。

攻めの株式・守りの債権

 投資の対象として真っ先に思い浮かぶのは株式だと思います。

 暗号資産も候補にはなると思いますが、動きが激しいし騰落率も激しいし、株式等と比べると動きの原因が分かりにくい事が多いので、あまりオススメはしません。

 話が逸れたので戻します。

 株式は、それが投資信託だろうと、トータルリターン(各種手数料を差し引いた投資家に返ってくる利益)がプラスになることもあれば、マイナスになることもあります。

 他方で債権はどうでしょう。

 貸したお金は、債務者がバックレたり破産でもしない限りは絶対に金利を上乗せして返ってきます。

 したがって、何も失いたくない方にとっては国際や倒産しないであろう会社の社債は魅力的な資産に映るかもしれません。

 なので債権も投資対象の候補になります。

 ただし、リスクを取るからこそのリターンがあるのが大原則で、基本的に株式ないし投資信託等の方がトータルリターンが多くなります。

 2021年時点では個人向けの10年国債の税引後利回りが0.06%、5年国債で税引後利回りが0.03%とか書いてありましたが、見間違いでなければ低すぎないか…

 それでも預金の数十倍の利子ですが。

 もっとも、投資信託には株式と債権、その他不動産等々投資対象を組み合わせたものもあるので、必ずしも株式・債権・その他と割り切れるものでもありません。

不動産や金など

 普通に専業があるサラリーマン的な方をメイン読者として念頭に置くと、株式投資で物足りなくなったら手を出せば良いのではないかと思います。

投資信託(ファンド)

 株式に投資する場合、自分で値動きをチェックして売買をしなければなりません。

 しかしデイトレーダーないしそれくらい時間が無い限りはいつもパソコンやスマートフォンに張り付いていられません。

 そこで、お金を預けるとそのお金を原資に運用し、増えたらリターンを配ってくれる方々がいます。

 そうした方々が提供するサービスを「投資信託」ないし「ファンド」と言います。

 もちろんタダで運用してくれるわけではないので、後述の様に販売手数料や信託報酬がかかります。

 これらが高すぎると運用成績が良くても一向にリターンが増えないゴミのようなファンドとなります。

 株式の単位が1株、2株と言うのに対し、投資信託はサービス業みたいなもので、1口、2口等という単位で数えます。

 寄付する時の「~口」というイメージですね。

 もっとも100円以上の任意の額で売買可能だったりするので、投資信託は口数はあまり意味を持ちません。

 後述のETFは口数で売買するので口数に意味はありますが。

 また価格は、株が株価と言うのに対して、投資信託は基準価格と言います。

 一日一回、市場での取引が終わった後に「今日の基準価格はこうでした」と基準価格が更新されます。

 再投資型と分配型がありますが、投資信託に積立投資をして放置する方は再投資型一択です。

 もっとも、積立NISAの対象となっているような商品は(国の意向を受けて?)そもそも分配金を出さずに勝手に再投資するものが多いですが。

上場投資信託(ETF)

 投資信託で「?」となる方にはもう少し分かりにくい概念になります。

 株式と投資信託の中間の様な存在です。

 単位は口数で1口何円で売買し、価格の表し方は基準価格で示します。

 投資信託は注文から買付まで数日間のタイムラグがあったり、基準価格も一日一回しか更新されません。

 これに対してETFは株式の様にリアルタイムで基準価格が更新され、瞬間瞬間での売買注文が可能です。

 ただし、自動で再投資をしてくれない等、放置したい方には少し不親切ですが、その分平均的に販売手数料がなかったり、信託報酬が低めであったりします。

 商品によっては投資信託とETFで信託報酬に差がなくなりつつありますが。

販売手数料

 読んで字のごとく販売手数料は株式・投資信託・ETFを売買する時の手数料です。

 多少商品についてネット検索する程度の手間を惜しまない方、簡単な商品間の比較・分析する手間を惜しまない方は、間違いなくネット証券一択です。

 SBI・楽天・マネックス・松井・auカブコムが主要なネット証券です。

 ネット証券であれば投資信託の販売手数料ゼロ円、取引額が一日50万円以下なら株式等の販売手数料ゼロ円等、今から投資を始めるならネット証券以外はあり得ません。

 この点、その辺の銀行の窓口なんか行くと販売手数料3%とかはザラにあります。

 たかが3%とは思っても、直近ではコロナショックからの立ち直りボーナスを除き、投資信託等のリターンは一桁%が普通なので、窓口で買うと一年目のリターンが消えるに等しいです。

信託報酬

 信託報酬とは、投資信託・ETFの運用に際してかかる費用です。

 お金を増やすために動いている人がいるのだから費用が掛かるのは当たり前。

 しかし、この信託報酬、変なファンド程異様に高い。

 ※参考までに


 信託報酬が1%を超えてくるとその商品を疑った方が良いでしょう。

 自分はそれなりに信託報酬が高いものを持っていても、それでも某アクティブファンドで0.7%未満です。

 そしてやはりダメなのが銀行の窓口。

 銀行の窓口等でお勧めされるのは1.5%くらいの信託報酬が普通な様です。

 ネット証券と違って人件費やら広告宣伝費やら何やらかかってますから、それを回収しないといけないですからね。

 仮にそんなボッタクリのファンドを買ってしまうと、3%くらいのリターンが見込める商品ではリターンの半分がコストとして消えるわけです。

キャピタルゲインとインカムゲイン

 キャピタルゲインもインカムゲインも投資系の記事で良く使われる言葉です。

 値段が上下する商品の購入価格と売却価格の差額(売買差益)で得る利益がキャピタルゲイン

 定期的な配当等で,給料の様に(給料ほど安定しない)定期的に得る利益をインカムゲイン

 それぞれの投資目標別の特徴については別の記事で解説しています。

分散投資

 リスクヘッジ(リスクに対する防衛策)の一つの手段です。

 何事も「1点掛けは危ないですよ」という話です。

 例えば日本のある外食産業のA社の株に預金の全部を投資したとしましょう。

 どんなに日本の景気が好調だろうが何だろうが、外食産業一般が不況であれば株価はなかなか上がりませんし、A社の経営がうまく行かないと株価は上がらないどころか下落します。

 そこで預金の一部をA社だけでなくIT企業のB社にも回します。

 A社が上がらなくても、業界の違うB社株が上がってA社株の下落分をカバーできれば(買うタイミングにもよりますが)資産は増えるわけです。

 もちろん全ての預金をB社株にした時よりはリターンは少ないですが、逆にB社が技術革新の激しいIT企業の中でもパッとした業績を挙げられずに倒産していくときにA社株が残る分に全てを失うリスクもなくなります。

 このように、1つだけではなく2つ、3つ…と投資対象を増やすことが、もしもの時の為の保険となります。

 これを会社単位、業界単位、国単位、あるいは株・債権・金…と様々な要素で異なる対象に分散することで、全財産を失うリスクを下げられます。

 株式のみで言えば、後述の全世界型インデックスファンドはある意味最強の分散投資です。

 全世界型インデックスファンドの場合、21世紀前半の間であればアメリカ以外の国がどこか滅んでもダメージは大したことないかもしれません(アメリカは世界の株価の半分を占めているのでダメージが甚大)。

積立投資

 一定額分の金融商品(株式等)を毎月、毎週、毎日と、ご自身の設定に応じて買い付けていくことです。

 「値段が上下するのにそんなに適当に勝って大丈夫か?」と思う方は次のドルコスト平均法と相まって「なんとかなる」とだけ理解しておきましょう。

 何百、何千万円以上の売買でない限りタイミングを気にし過ぎる必要はありません。

ドルコスト平均法

 最終的に値上がりするモノを買うときに意味があります。

 最終的に値上がりするモノです。

 大事な事なので二回言いました。

 ポンドコスト平均法という言い方もありますから、別に円コスト平均法でも良いわけですが、一般的にはドルコスト平均法と呼ばれています。

 高いときで買ってしまっても、安いときで買ってしまっても、全ての買ったときの値段をトータルすると投資額に比したコストが平均化されてますよね、という意味です。

 コスト平均化です。

 具体例で見てみましょう。

【ケース】

 例えばある時に1000円でXという商品が一個買えたとする。

 1ヶ月後にこれが500円に値下がりしたとすると、普通は損切りしたくなりますが、あえて1000円を追加で投資するならXを二個買える。

 ここまででX計三個。

 次の一ヶ月に250円に値下がりしたとすると今度は1000円でXが四個買えて、

 ここまででXが計七個。

 そして次の一ヶ月後にXの時価が急騰して1500円に上がると、投資額は3000円なのに総資産は1500×7=10500円分を買っている事になるわけです。

 最終的に値段が上昇するモノは、途中で値段が下落しようが、それは結果として得にもなるわけであり、短期的な値段の下落は悲観しなくて良いことになります。

余談①:ずっと値上がりするものにコスト平均法を使う必要はない

 コスト平均法はリスクを抑えられはしますが、ずっと単調な値上がりが見込めるものはチマチマ買うよりも、値上がり前に一気に予算を全て注ぎ込んだ方が得です。

余談②:値下がりを続けるものは何しようが損

 当たり前ですが、上がるところまで上がって、最後にドンと下落してそれっきりのものは、一気に投資しようが、コスト平均法にしようが、ダメージを受けます。

 強いていえば途中でやめられる分、コスト平均法の方がマシですが。

 ずっと値下がりを続けるものに投資するのは論外です。

 しかし最終的に値上がりが見込めるなら買う意味もあり。

余談③:底値のものも一気に買って良し

 相場的にそれ以上下がらないなと考えられる値段を「底値」と言いますが、

 最後にドンと値下がりしたと思ったら、再び上昇するものもあるわけで、底値で一気に資金を投入したモノの値段が急騰すると、利益も大きくなりますよね。

余談総括:何が底値なのか「天井」なのかの判断はご自身で

 ドルコスト平均法に関連して色々書きましたが、結局のところ変な冒険をしない為に、長期的な値段上昇を見込めるものに積立投資をするわけです。

NISA(積立NISA)

 金融商品で得た利益の20%は日本の税金として持っていかれます。

 つまり、100円稼ぐと20円が税金として引かれます。

 NISAはなんとこの税金がかからなくなるという超お得な制度です。

 基本的には、まず積立NISAを検討しましょう。

 積立NISAは積立投資・ドルコスト平均法が反映された低リスクな運用ができます。

 とにかく使わないともったいない制度です。

 他の記事で詳細に書かせていただきました。

iDeCo

 イデコという名前だけ聞くと分からないですし、個人型確定拠出年金と聞いてもピンと来ないでしょう。

 ざっくりと説明すると、個々人の収入等よって各年積立上限額が変わるのですが、その上限額の範囲内で60歳まで取り崩せない積立投資を出来て、その積立額で所得控除出来て、運用益は一定のルール内で非課税という、これもお得な制度です。

 ただし、個人事業主の方は国民年金基金の方が安心な可能性もありますので、そこはご自身でご検討下さい。

 年間の積立限度額をシュミレーションしてくれるサイトもあるので試してみてください。

まずはインデックスファンド

 「投資を始めるならインデックスファンド」という旨の言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれません。

 インデックスファンドとは、経済指数、すなわち日本ならTop日経株価(日経225)、トピックス、アメリカならSP、ナスダック、ダウ等々あり、そうした経済指標に合わせた動きをする事を目指す投資信託(ファンド)です。

 そして、指標に合わせる為にある程度の分散投資をされているのが普通です。

 対義語としてアクティブファンドがありますが、ざっくり言えば頑張って稼ごうとするファンドです。

 ただし、リターンを得ようとする分だけリスクも多くなり、信託報酬も高めです。

 話を戻しますが、

 経済指数に合わせるのがなぜ良いかと言えば、長期的に見ると、大体どの数値も今のところは値上がりを続けています。

 逆にいえば、値上がりを続けない指数に合わせるインデックスファンドはそもそも商品になりません。

 したがって、(アクティブファンドと比較して相対的に)無理せず指数と一緒の動きを目指すことで、結果的に比較的ローリスク、ややローリターンとなります。

全世界型インデックスファンド

 全世界型は、全世界に分散投資して世界経済成長率に合わせた動きを目指すというもので、世界経済が発展し続ける限りは値上がりします。

 なお、全世界に投資すると言っても経済規模に合わせて投資先の割合が変動するので、令和3年時点では5割強をアメリカに投資しています。

 21世紀前半は仮にアメリカ以外のどこかの国が一国滅んでも申告な影響は出ないでしょう。

 世界経済が一様に下落するときもあるので,全世界型インデックスファンドと言えども,直線的に右肩上がりをするのではなく,たまに下降しながらも結果的に下落分以上に上昇します。

 長期的に見れば,有史以来世界経済はずっと成長しているので,下がることは無いと楽観視が可能ともいえるかも知れません。

 でもでもやはり,世界全体がマイナス成長しかしない時代も来るかもしれません。

 絶対は無いです。

 全世界型の中でも,どんな指数に合わせるか,何銘柄に投資するかによって収益性と安定性違いが出てきます。

その他のインデックスファンドの概要

 指数自体の意味はそれぞれを検索して頂ければ詳細が分かります。

 ここでは良くありそうなファンド分類ごとの大まかな説明を書かせて頂きます。

アメリカの経済成長に合わせるファンド

 米国株,S&P,ナスダックみたいな名前がついているのは、アメリカが成長する限り稼げるファンドです。

 個別の国に限るなら、今のところアメリカが全ての国の中で一番安定して稼げるのではないでしょうか。

 ここ10年くらい(~2021年)は世界経済全体の経済成長率よりもS&Pに合わせたインデックスファンドの方が運用成績が良かったりします。

 全世界型が良いのか、これからもずっとアメリカが強いのか、個々人で意見が割れるところです。

 (あくまでこれまでの話ではあるものの)全世界型の方が強い時期とアメリカの方が強い時期はある程度のサイクルができていて、ずっとどちらかの方が良いということはありません。

 全世界型はアメリカ以外の国が経済強国になった時もカバーできるので、特に積立投資(後述)でほったらかす様な方にとっては全世界型の方が無難だと思います。

日本の経済成長に合わせるファンド

 日本株、日経225、Topixみたいな名前がついているのは日本成長する限りでは稼げるファンドです。

 今は間接的な日銀の介入やら何やらで結果的に値上がりし、何十年以来の日経平均株価三万円台と騒がれて、バブル崩壊後の失われた20年ないし30年を経て2021年までの値上がりは良い感じで来ています。

 日本人の自分が言うのもなんですが、これをまだまだとみるのか、そろそろピークと考えるのか。

 日本株の懸念は日本という国の少子高齢化と技術革新の遅さです。

 逆にこれらをクリアできればまだまだ成長の余地はあるという見方も可能です。

 日本経済は運命共同体である国民や経済界でガンバル皆さんにかかっています。

先進国の経済成長に合わせるファンド

 いわゆる先進国を経済規模順に一まとめにした経済成長に連動することが多いです。

 先進国の特徴は安定性です。

 バカ稼ぎはないけど、変な政治等のリスクもないというところでしょうか。

 先進国としてくくると三者三様の意見が出るような国をファンドに組み入れるか否かで商品ごとにバラつきがあります。

発展途上国の経済成長に合わせるファンド

 いわゆる発展途上国を経済規模順に一まとめにした経済成長に連動することが多いです。

 発展途上国が爆発的な成長があり得る一方で、特に政治的リスクを抱えていることが多いです。

 時には軍事クーデター、あるいは政府が謎の強権を発動してみたり、そのまたあるいは先進国から経済制裁を食らってしまったり…と、ある日突然その国の経済活動が大ダメージを負うことも。

 ちなみに、太平洋の謎国が結構な割合で入っていることがあるのは課税逃れの中国企業みたいです。

適宜更新します

一応思いつくままに挙げてみましたが、何か思いつくことや訂正事項がありましたら適宜更新します。

以上